さらばユーゲー。


創刊号から買い続けていたマイクロマガジン社の『GAME SIDE』が2010年8月号(Vol.24)でついに休刊になってしまった。創刊当時の96年はファミコンの中古が捨て値になりだして子供の時買えなかったソフトを漁りだした頃に出た雑誌だったので凄い俺的にタイムリーだった。最後まで付き合ってきた雑誌で色々思う所もあるけど、敬称略の編集長別でまとめてみる。

『ユーズド・ゲームズ』(Vol.1〜Vol.5)小泉俊昭編集長時代。
当時は…っていうか今も無いけど中古ゲーム専門誌としてスタートした本誌のバイヤーズガイド的な価値は相当高かった。当時ここで紹介されてプレミアが付いた『百の世界の物語』を980円できっしが買って譲ってもらったのはいい思い出。この頃はアングラ雑誌臭がものすごいあるな。ちなみにVol.4から表紙イラストが小松崎茂で非常にいい雰囲気。

『ユーズド・ゲームズ』(Vol.6〜Vol.16)滝沢嘉一編集長時代。
特集では色々遊んでるんだけど最も安定した雰囲気がしてた時代。後々深く関わってくる最古の面子が揃いだすのもこの辺りから。Vol.8のバーチャルボーイ特集でゾルゲ市蔵がライターとして参加。Vol0.11から『チョウゲームショウジョユーゲー』連載開始。最初は全部カタカナ表記だった。Vol.12から編集者として原田勝彦が参加(入社と思う)恐らく担当した記事は1タイトル6P特集の『ザナック』。小松崎茂の表紙イラストはVol.15まで。

『ユーズド・ゲームズ』(Vol.17〜Vol.22)『ユーゲー』(No.01〜No.08)津田清和編集長時代。
同社の『ナイスゲームズ』と合体する形で誌名を『ユーゲー』に変更。季刊から隔月刊へ、扱うゲーム機が大幅に追加。さらにライター名表記もするようになってかなり変化の多かった時期。ユーゲー夏祭りもあって一番勢いがあったのもこの時なのかも。夏祭りに参加して津田&奥山のサイン貰ったなぁ…『ユーズド・ゲームズ』Vol.17から原田勝彦は退社しフリーになって(と思う)RD名義で登場し、さらに北郷&榎本がこの号から参加。Vol.17でさまよえるメガドライバー。『ユーゲー』に誌名を変更してから2号続けて巻頭でカセット色占いをするという暴挙に出る。こおいうサラリとした内輪ネタが盛んだった印象があるな。『ユーゲー』No.01より『ナイスゲームズ』から『ゲーム・レジスタンス』が移籍。

ユーゲー』(No.09〜No.17)北郷健編集長時代。
ある意味『ユーゲー』の顔だった津田・奥山が抜けて編集者が2名でスタートした北郷政権。雑君保プの連載が始まったりして、誌面の内容も同じ年代の人が作ってるなーと一番感じたのがこの時期。なのでこの辺りから俺にとっては知らないゲームを教えてくれる楽しみよりも、同年代のゲーム語りを読む楽しみにシフトしてきた頃。No.10でネオジオ特集と天辰睦紀の『懐ゲーキャラ名鑑』が『ドラクエシリーズ』で最終回。描き下ろしも収録してコミックになったりした。No.13から山本悠作が参加、原田勝彦が企画構成した記事「シューティングゲームの深層」が掲載。No.14で佐藤アルミの『ゆりかごから墓場まで』が最終回こっちはコミックにならず。No.15からおおつきべるのの『とっとコレ!』が連載開始。こっちはコミックにもならず最終回告知もないまま知らん間に終わってるという不遇の作品。『ユーゲー』で連載していた漫画の中で一番好きな作品だったのでなんとかまとめてコミックにならんもんかな。No.17で『クインティ』のサントラが付く。勿体無くて開けてないな。

ユーゲー』(No.18)榎本正幸編集長時代。
北郷の退社に伴って副編集長だった榎本が編集長になるも体調を崩して入院しそのまま亡くなられたので、編集長表記はこの号のみ。もしも元気で編集長を続けていたら今までとは違った『ゲーメスト』的な誌面になってたんじゃないかなと思う。

ユーゲー』(No.19)山本悠作編集長(代理)時代。
元・編集長として北郷健のクレジットがあるので相当大変な時期だったんじゃなかろうか。

ユーゲー』(No.20)奥山美雪編集長時代。
当時『ゲーム批評』の編集長をしていた奥山が編集長を務める。前号と変わらず大変だった空気がそこかしこに誌面から溢れ出てるのにオマケにファルコムステッカーを付けたりしてた。

ユーゲー』(No.21〜No.25)『GAME SIDE』(Vol.01〜Vol.24)山本悠作編集長時代。
ここから正式に(奥付見る限り)山本悠作政権。No.22で榎本正幸の訃報が掲載。No.24の第9回を最後に何の報告も無いまま『とっとコレ!』フェードアウト。『GAME SIDE』Vol.15に原田勝彦の訃報が掲載。交通事故。『GAME SIDE』Vol.14の『ゲーム・レジスタンス』37回が恐らく商業誌に載った最後の文章。原田勝彦の商業誌に載った文章(連載やレビュー)をまとめて本にして欲しいけど…勝手にまとめて同人誌にするしかないのかな。けどそれだと只の転載になるから駄目だよなー。何とかこの人の文章を形にしたいんだけどな。『GAME SIDE』になってからも色々頑張ってた印象はあるけど、発売前の『サンダーフォース6』の記事から発売後の何故か数号に渡って続いたゾルゲ市蔵の連載無記名表記とかちょっとうーんな感じ。けど最近ではシリーズ物の特集が凝ってるのが多くハズレが少なかった印象があるだけに休刊は残念。
こおやって見ると最初からかなり変化してるんだな。とりあえず全71冊こんなに長く楽しめる雑誌になるとは思わなかった。お疲れ様でした!